関節リウマチの治療選択時には、予後不良因子の有無や合併症などの患者さんの状態、患者さんの治療に対する希望や治療ゴールを把握し、リスクとベネフィットを考慮しながら患者さんに合った治療を決定していく必要があります。

本動画では、関節リウマチ診療ガイドラインや治療ゴールに関する調査結果に基づいた関節リウマチにおける医師と患者さんのコミュニケーションの重要性について、医療法人社団博恵会 理事長/慶應義塾大学 先進運動器治療学特任教授 桃原 茂樹 先生にご解説いただいております。

関節リウマチにおける医師と患者さんの治療ゴールに対するコミュニケーションの重要性
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調査実施前は、患者さんに比べて医師の方が関節破壊抑制を重視していると予想していました。しかし、調査結果からは、「⑧手指、足の関節の変形がおきていない、進んでいない状態」、「⑨手指、足の関節の動きが悪くならない、またはスムーズになる」など、関節破壊に関連する項目でも、患者さん・医師双方とも長期的な治療ゴールとして重視していることがわかりました1)

治療開始時のコミュニケーションのポイント

1)Momohara S, et al. Rheumatol Ther. 2023; 10: 917-931.
Supplementary Figure 1bを基に作成
利益相反:本研究はEisai Co. Ltd.の資金提供及び支援により行われた。
本論文の著者にはEisai Co. Ltd.の社員が含まれる。

医師は、疾患活動性指標に関わる痛みやこわばり、関節の腫れについて、積極的に患者さんに聞いているようです。一方で、「(10)将来的な関節の変形に対する不安について」や「(15)自分の治療ゴールについて」に関しては、患者さんは医師に伝えたいと考えていますが、医師は患者さんに対してあまり質問していない傾向にあります2)

治療開始時のコミュニケーションのポイント

2)Momohara S, et al. Rheumatol Ther. 2023; 10: 917-931.
Supplementary Figure 2を基に作成
利益相反:本研究はEisai Co. Ltd.の資金提供及び支援により行われた。
本論文の著者にはEisai Co. Ltd.の社員が含まれる。

ondemand_video動画[7分58秒]
演者
医療法人社団博恵会 理事長
慶應義塾大学 先進運動器治療学 特任教授
桃原 茂樹 先生

目次

  • 関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂(日本リウマチ学会)関節リウマチの治療目標と治療原則【00:41】
  • 関節リウマチにおける患者と医師の治療ゴールと相互理解に関する調査【01:44】
  • 長期の治療ゴール(5~10年後)について、患者と医師の重視度の違い(主要評価項目)【01:57】
  • 短期(3~6ヵ月)および長期(5~10年)の治療ゴールについての患者と医師の重視度の比較(主要評価項目)【03:35】
  • 治療ゴールについての患者と医師のコミュニケーション~患者と医師のコミュニケーショントピックに関するスコアの違い~(副次評価項目)【04:35】
  • 関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂(日本リウマチ学会)薬物治療アルゴリズム【05:34】
  • まとめ【06:41】