炎症の発症経路
JAK-STAT経路は、関節リウマチなどの慢性炎症疾患において中心的な役割を果たします1)2)。
早期関節リウマチでは、炎症が障害の主な原因です。関節リウマチが進行すると、X線画像所見上の進行による機能障害が問題となります3)。
関節リウマチの増悪4)
関節リウマチでは、免疫反応の調節異常によって制御困難な炎症が起こります。炎症は、JAK-STAT経路を介した過剰なシグナル伝達によって促進されます1)5)。
JAK-STAT経路を介した過剰なシグナル伝達が炎症を促進する1)
炎症の発症経路
「炎症」をキーワードに、JAK-STAT経路を介した炎症性のシグナル伝達される機序をご紹介します。 JAK依存性サイトカインが特定の受容体に結合すると、JAKが活性化し、STATを活性化させます。 活性化したSTATは核内に移行し、標的遺伝子を転写します。 その結果、炎症性サイトカインが産生され炎症のサイクルが成立し、慢性炎症が持続します。
pSTATの遺伝子転写
活性化されたJAKにより活性化したSTATは、核内で炎症性サイトカインや他の炎症メディエーターの 遺伝子転写を惹起します。
JAK-STAT経路の再活性化
炎症性サイトカインや他の炎症メディエーターが 産生されると、その中のJAK依存性サイトカインはJAK-STAT経路を再活性化し、炎症が持続します。
1)Malemud CJ. Integr Mol Med. 2016;3:1-9.
2) Banerjee S, et al. Drugs. 2017;77:521-546.
3)Emery P, et al. Rheumatology (Oxford, England). 2008;47:392-398.
4)Kirwan JR. J Rheumatol. 1999;26:720-725
5)Hodge JA, et al. Clin Exp Rheumatol. 2016;34:318-328.