関節リウマチの病態形成におけるサイトカインとJAK-STAT経路
JAK-STAT経路とサイトカイン、関節リウマチの病態について、関節リウマチの専門医に解説いただくシリーズです。第1回は、JAK-STAT経路を介する過剰なサイトカイン・シグナル伝達が慢性炎症、軟骨や骨の破壊、そして全身症状等の関節リウマチの症状を惹起するプロセスについて、産業医科大学医学部第1内科学講座教授 田中良哉先生にご解説していただきます。
サイトカインによる過剰なシグナル伝達
関節リウマチでは、サイトカインによる過剰なシグナル伝達が原因となり、T細胞、B細胞、マクロファージ、破骨細胞などの異常増殖と機能異常が起こり、慢性炎症が生じます。
JAK-STAT経路を介したシグナル伝達
シグナル伝達経路には多くの種類がありますが、なかでも関節リウマチに関わる、IL-6、IL-15、IFNγ、IL-23などのサイトカインは、JAK-STAT経路を介してシグナルを伝達し、炎症を引き起こします。